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農村便り
ザックザックジャーナル
荒川弘の『百姓貴族』(新書館、2009年12月)
荒川弘の『百姓貴族』(新書館、2009年12月)
2010 01 13 Wed
農業を題材にしたマンガがあると聞き、手にしたのがこの『百姓貴族』だった。マンガ好きの方ならすでにご存知であろう。マンガ好きで、かつ、農業に興味をもっておられる方なら、間違いなく一度は手に取っておられるにちがいない。『百姓貴族』(新書館)は、「鋼の錬金術師」の売れっ子マンガ家の荒川弘さんが、元農家(実家は牧場)という自身の経験にもとづき書きおろしたエッセイ風の農業マンガだ。その内容についてはここでは深くふれないが、北海道の農家(畜産もふくむ)の日常が、実におもしろく、生き生きと描かれている。
印象的なのは、世間が水不足で大慌てをしている時に、荒川さん扮する牛が貴族の衣装を身にまとい、牛乳の入ったワイングラスを片手に言う一言だ。
「水がなければ牛乳を飲めばいいのに。」
私は、この一コマに、筆者の表現したいことが凝縮されているように思う。この一コマには、百姓貴族の誇りと自信があふれている。百姓貴族は、牛乳や野菜を一から生産する。晴れの日も雪の日も、牛の世話をし、畑の管理をする。農業や畜産業の、酸いも甘いも知っているのである。だからこそ、あんなにも優雅に牛乳を飲むことができる。百姓貴族は単なるお金持ちの貴族ではなく、生きてゆくための体力と実力を兼ね備えた無敵の貴族なのである。
(すずき)





