農ライフ
研修編に戻ります。
 
仰々しいタイトルを付けましたが、これは私が実際に体験した出来事です……。
 
それは、ある春の日。
私は某NPO斡旋の農業研修プログラムに参加しました。
全国何箇所かで開催されており、そのうちの一箇所にて生活費を支給されながら、農業研修を行う……というプログラムです。
そして某地域の集落営農法人において、月10万円の助成を受けながら研修を開始しました。
 
もちろん、私が将来的に独立したい、という意向は伝えてありました。
で、わずかに家の前の畑を借りながら、週六日の農業研修はスタートしたのです……。
 
まず、住居。
ボロい普通の民家に、研修生三人が入ることになりました。
3DKに三人。……ギリギリです。まあそれはいいとしましょう。
 
ですが、
・雨漏りはする
・ネズミが出る
・ムカデは出る
・汲み取りトイレの臭いは漂ってくる
……という、なかなかの物件です。
 
せめて、雨漏りだけでもどうにかならないかと受け入れ先のコーディネーターに伝えると、「まあたまにはそういう所で暮らすのも面白いでしょ」……と、まともに取り合ってくれません。
短期のみの研修だった女性が一ヶ月で帰って行くと、残った私ともう一人の男性は、どちらもある程度の方向性は決まっていたため、「できるだけ自分たちの作物を作りたい」と受け入れ先には伝えてありました。
 
……だって、独立するための研修なんだから、当然ですよね!?
が、研修先のプログラムというのがあり、それは私達が全く行う予定のない品目、栽培方法。
でもまあそれは仕方がないか……と納得して研修を受けていました。
しかし、時には仕事が無くなるのも農業。そんな時には、自分で販売する予定の作物を作りたいと思うものです。
 
が、それならばと命じられるのは、雑用ばかり。
草刈りや掃除など、もはやどちらもとっくに習得済みの作業ばかりです。
不満はあれども、何とかお互いに愚痴を言い合ってやり過ごしていました。
……しかし、ついに我慢の限界が訪れます。
 
というのも、当初の条件だった『月10万円の生活費』が、いつまで経っても入金されないのです!
一ヶ月経ち、二ヶ月までは何とか疑問は残りつつも、待ち続けました。
が、とうとう三ヶ月が経った時、もう堪忍袋の緒が切れたのです。
 
「何が悲しくて、三ヶ月も自腹で雑用ばっかりやらされなきゃならんのだ!!!」
 
怒り心頭で事務局に確認してみると、そのコーディネーターが書類を送るのを怠っていたため、入金されなかった……ということでした。
この事件によって、(どれだけ研修生の扱いが適当なんだ……)ということがよく分かったため、文句を言って受け入れ先を近くの別の地域の法人に変えてもらいました。
……結局、この時のコーディネーターからは一言の謝罪もありませんでした。
 
で、変更先の法人では、先程よりはマシな研修だったのですが、以前の記事にも書いた「所詮、研修生なんて労働力だから」という名言を残してくれた方がいたので、結局この地域に居つくことはありませんでした……。
この経験で、よく分かったことがあります。
 
それは、『研修生を受け入れることによって貰える補助金目当てに、研修受け入れを行っている所がある!』……ということです。
 
もちろん、そういう所ばかりではない……(と思いたい)はずです。
が、中にはこういう所もあるのです。
個人的な推測なのですが、こうした場所は『集落営農法人』や『土建屋から業種転換した法人』に多いような気がします。
……少なくとも、ずっと田舎で暮らしてきて、他の職業などを経験したことのない、税金を使うことが当たり前だと考えている人たちにその傾向はあるのではないでしょうか。
 
……そう、散々書いているように、『補助金を生活費として使う農家の人々』たちが、こうした制度を利用している、という場合があるのです!
しかも研修生とは、タダで使える労働力でもあるわけです。
こうした思考回路を持つ方々は、「お金も貰えてタダの労働力も手に入れられて超ラッキー!」という感じなのでしょうか……?
聞いた話では、他の地域においても『タダのおさんどん(食事係)』として使われた方もいるようですし、元々の母体となったNPO自体がどうもきちんとしたものでは無かったようです……。

この場合の構図とは、国から付けられた予算をNPOが配分し、それによって利益を得られる各地の受け入れ先が手を上げた……ということだけだったんですね。
具体的に言うと、研修中の受け入れ住居として、家賃補助が『一人』5万円、道具の購入費、さらにコーディネーターの人件費として時給2000円ほどが『受け入れ先に』入る仕組みになっていたようです……。
なんておいしい制度でしょう!
 
ただ、残念ながら研修生側の中にも、こうした状況で満足してしまう人がいるというのも事実。
「ちょっと農業が気になってたんで、研修しに来てみました」という人が結構いるんです……!
まあ当然ながら、このような方々は『現場の農業』というのが「実際に思っていたのと違う」と、さっさと退場されていってしまうわけですが、受け入れ先からしてみたら好都合という、こんな妙なマッチングが起こっていたりもするわけです。
 
全くもって、本気でやろうとしている人たちからしてみたら、迷惑な話。
あー思い出したら腹が立ってきた……!
 
皆さんも、農業研修を受ける際には十分に注意しておいて下さい。
やはり私がオススメなのは、『農業以外の業界から参入してきた方々』。
農業界の問題点を、非常によく分かっていることだと思います。
 
こうした方々は、行政機関の斡旋よりも、結構ネットを使って発信している人がほとんどのはず。
本気で農業を考えている方は、こうした人々に直接連絡を取ってみるのが良いかと思いますよ?