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  • 2012.07.11

〜農業を取り入れた暮らしと天職と感じるほどの“大好きな仕事”を両立させた生き方 ー それが半農半X〜

蔦の絡まるカフェはジュース工場の跡地を改装したもの


旅する移動カフェ+参加型オーガニックカフェ

阪急十三駅の商店街の外れにある『カフェスロー大阪』は、都会にありながらゆっくり静かに落ち着ける場所。
 
共同オーナーの二人は高校時代の同級生。カフェを運営したいけれどコーヒーが嫌いな赤澤さん。コーヒーが好きでコーヒー屋がしたかった見島さん。二人の興味が一致して、知識や情報を補い合えたことから、オーガニックコーヒーの移動カフェ『カフェピトゥ』が誕生しました。
 
その後、現在の場所にカフェスロー大阪をオープンし、キッチンスタッフに藤丸さんが加わったことでフードメニューが充実していきました。


農業へのきっかけは“お客様からの質問”

フードメニューにはオーガニック野菜を使用しています。お店でだす野菜たちは、近郊の畑のものや、自分たちの手で育てたもの。人気メニュー『大地の恵プレート』は、旬のオーガニック野菜がふんだんに使われていて、調理方法も凝っています。
 
お肉を食材に使わないとコクに欠けてしまったり、お腹いっぱいにならなかったりするイメージもありますが、料理を一度口にしたら、その先入観を覆してくれます。
 
野菜たちについて、お客さんから質問をもらうことも多く、それに対してちゃんと答えられるようにと、次第に農業への関心が高まりました。その想いが、縁を呼び寄せるように、畑との繋がりができていきます。

レンズ豆とナッツのベジバーグ・菊芋と種先菜のソテー・大根と菊芋のピクルスなど。自家製味噌のみそ汁の香ばしさと甘さも人気。


植物の枝葉のように広がる畑活動



現在、カフェスロー大阪と繋がっている畑は、能勢、丹波、枚方、川西の4カ所、初めての畑活動は能勢でした。カフェの大家さんの知人が所有する畑の一部を 使わせてもらえることになったのがきっかけ。カフェに集まる友人やボランティア・スタッフと、畑活動をスタートさせます。
 
最初に栽培したのは地這いキュウリ。キュウリの支柱の立て方がわからずに悩んでいたところ、地面を這って育つ地這いキュウリのことを知り栽培することを決 定。そのほか、トマト、ナス、ソラマメ、ゴーヤなどを育てました。キュウリやナスは、早速、夏フェスのメニューにも使ったそうです。


3メートルにもなることもある菊芋

現在、能勢の畑は菊芋畑になっています。菊芋は、年に数回程度の畑通いでも勝手に育つ、ワイルドで元気な芋。シャキシャキした食感も新鮮で、血糖値を下げ る効果があるという研究結果から、注目されているそうです。カフェスロー大阪では、この春、菊芋チップスを商品化して店頭で販売しました。


菊芋が宝探しのようにゴロゴロいっぱい

丹波の畑との関わりは『森の夢プロジェクト』の一貫。生物多様性の研究をしている森の都研究所と、カフェスロー大阪が共同で関わる里山再生プロジェクトで す。森の夢プロジェクトは、里山全体を活かすあらゆる方法を考え、企画していくという壮大なテーマを持って活動しています。
 
その活動の一部が畑活動です。最初は、田畑に侵入してくる竹を切る作業から始まりました。協力して活動することで、自然に関するさまざまな知恵を森の都研究所の方から教えてもらい、カフェスロー大阪のスタッフは労働力を提供する補完関係にあるそうです。

■森の都研究所
http://ameblo.jp/forestcity/

枚方の畑は、都会に住む人のための週末型農カルチャースクール『ハタケスクール』に、グループ参加することで関わっています。グループごとに、いくつかの畝を割り当てられ、プロの農家の方に育て方を教わっているそうです。
 
ハタケスクール発起人の谷町・空庭さんと知り合いだったことからこの活動へ参加することに。このスクールで学んだことを、別の畑で実際に活かす流れが生ま れます。川西の畑は、これから関わっていくところだそうです。また、カフェスロー大阪と契約している農家さんの畑での単発の農作業も年に数回あります。

■谷町・空庭さん
http://www.soraniwa.net/


畑素人のお客様と畑をつなげる『チャレンジ畑部』も

ハタケスクールへの参加をきっかけに、カフェのお客さんが畑活動に参加できる形を考えて『チャレンジ畑部』を発足。部員になれば、月数回の活動日に参加できるそうです。
 
何を植えるのかみんなで相談し、部員だけが見られるクローズドのSNSで活動報告をシェアできるそうです。今年は、枚方ではナス、えごま、トマト、ハーブ など、丹波では黒豆や田植えに挑戦します。取材後、筆者もチャレンジ畑部に入ったので、今後の活動もレポートしてみたいと思います。


半農半X Q&A     

Q.半農半Xの内容はなんですか?
A.農:オーガニックカフェ
  X:『チャレンジ畑部』

Q.農業に興味を持ったきっかけは?
A.カフェのお客様に野菜について質問されたときに答えたい。
  もともと野菜づくりに興味があった。

Q.なぜ半農というスタイルを選んだ理由は?
A.カフェ運営をしながら少しでも農に関われるスタイルを選んだ。

Q.何を育てていますか?
A.菊芋・きゅうり・ゴマ・黒豆・ハーブなどいろいろ

Q.農業はどのように覚えましたか?
A.畑スクールや契約農家さんなど

Q.半農半Xのメリット・デメリットは?
A.畑が遠いのでマメに畑に行けないこと。
  チャレンジ畑部の部員がほとんど社会人のため
  参加人数が毎回予測できず少ない場合は大変なことに!

Q.一日の暮らしの流れ&一年の暮らしの流れについて
A.毎日・毎年いろいろ。
  チャレンジ畑部の活動は月3~4回。
  手のかからない作物しか植えていない畑は年に数回。

Q.今の拠点は出身地?それともIターン先?
A.スタッフ全員が関西出身。


赤澤さん(左):以前に暮らしていた集合住宅の空き地に、大家さんに許可を得て野菜を育てていた。興味を持ったら、とにかくまずやってみたくなる。

藤丸さん(中):和・洋・中で修行したビーガン(玉子や魚も食べないベジタリアン)料理人。心身を作る料理の大切さや、おいしい幸せを人に伝えたい。

見島さん(右):本当は虫が嫌いだそう。食べられない野菜もあるのだとか。それでも、とにかく野菜を育てるのがおもしろくて仕方ない。森を守る活動も。



移動カフェ“よしお号”のシンボルよしおくん


■カフェDATA

Cafe Slow Osaka/カフェスロー大阪
<参加型オーガニックカフェ×コミュニティスペース>

〒532-0028 大阪府大阪市淀川区十三元今里2-5-17
カフェ : 火~金 14時~20時
レンタルスペース : 火~日 10時~21時
tel : 06-7503-7392 (電話受付:火~金 14時~20時)
fax : 050-3488-5196
mail : info@cafeslow-osaka.com

Cafe Slow Osaka/カフェスロー大阪 http://cafeslow-osaka.com/
旅する移動オーガニックカフェ/Cafe Pitwu http://cafepitwu.livedoor.biz/


■畑部DATA

チャレンジ畑部

*部費(年間費)
新規:9000円(一般)/4800円(学生)
更新:6000円(一般)/3600円(学生)
※体験入部は交通費実費のみでOK。

*入会時期
年中受付(一年ごとに更新)
※更新時期は各自異なる。

*活動日
週末に月数回(部員に連絡)

*活動場所
枚方 ・ハタケスクール
丹波 ・森の夢プロジェクト
豊能町・菊芋畑
川西 ・花と緑のネットワーク川西
その他・援農

【問合せ・申込み】
info@cafeslow-osaka.com

文&写真:藤原聖津子