経営
  • 2012.05.09
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今、インドの農場で作ったパプリカを香港、シンガポールの大手スーパーや高級卸に自社で輸出して売ってます(私が別で社長やってる実家のKOBIRAっていう会社が商社なので自社でできる。裏技ですが)。口座も色々できましたし、実際にビジネスして日本から野菜輸出するっていうのをいろんな人が景気よく言ってますが現実について書いてみます。

大きな前提として、


①日本で売れるクオリティものは海外でも売れるけど、日本で売れないものは海外で売れないと思ったほうがいい。
②日本で売るより高く売れることは基本ない。海外でこんなに高く売れた!という話を鵜呑みにしないほうがいい。
③各地のマーケットの特性はちゃんと分かった上で売り込みしたほうがいいよ。
④海外農業進出とか販売支援というベンチャーは増えてくるだろうけど、ちゃんとL/C組めてて現地と口座持ってるのか位は調べた方がいいかと。じゃないと間の商社とディーラーに抜かれて続かないよ

という事をわかった上でやりたければ参入すればいいかなと思います。

①はそのまま。日本でも売れる商品でしたら、「日本で売ればいいじゃん、なんで海外でやんの?」という問いには「ロマンと長期戦略!」と言えばいいと思います。
逆に日本でも売れていないダサい商品が海外で売れるかというとそれはもうまぐれ当たりとか神頼みの世界になるので辞めたほうがいいです。補助金100%もらってやるならいいけど。

②に関しては航空運賃が無茶苦茶高いので、コンテナ単位で5t位かき集めて空輸するならまだしも単品で100kg単位とかだとキロ何千円という見積もりが来ます。キロ1000円のトマト売るのにそんなんじゃやってられません。そこらの手数料引いたら市場価格より低いじゃねーか!というケースも増えてくると思います。あまり農業生産者が実感することはありませんが日本市場は世界に冠たる素晴らしい高値のマーケットな事を忘れてはいけないかと。ちなみに最近は熊本のJAたまなの商品を香港でよく見ます。ああいうふうにJA単位で売るのは量も確保できて輸送コスト削減出来るのでなかなかイケテルと思います。

③別で書きますがシンガポールと香港とドバイと上海じゃ全然トマト一個売るにも戦略が違います。とりあえず持って行って考えようというのは自費でやるのはリスキーなので補助金もらって観光半分でやりましょう。

そんで、それとこういう話の時に出されるドバイのスイカですが、あれは奇跡のホームランです。そもそも今、農業生産が盛んな中東(エジプトとかイランとか)に近いドバイは野菜の値段はすごく安いので、あまり期待しないほうが良いです。マレーシア、ベトナム、タイといった供給地を抱えるシンガポールも同様ですね(フルーツだけは可能性はあるかもしれません)。ドバイ、シンガポールはMade by Japanese戦略のほうがフィットしてます。となると輸出先は上海、香港くらいに限定されちゃうのかな。

④そんで農産物輸出関係の補助金が経産省からも農水省からも増えてきているので一緒にやりましょう!というベンチャーやらがタケノコのように出てくると思うのですが、やってる当人も経験なくて手探りというケースは多く、物を出しても間に入った商社とディーラーに中抜されて、儲かんないから結局先細りみたいなケースは多いと思います。鹿児島で自治体からお誘いされたりして、取り組み見たのですがパートナーがかなり怪しい現地バイヤーみたいなケースも散見されます。本気で輸出したいなら自社で輸出して口座も持っている会社と組むのがシンプルでいいと思います(自分の会社の宣伝ですが。ふふふ)。

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じゃあ、翻って自分が社長している生産法人のオリザ鹿児島ファームでミニトマトどう農産物輸出を戦略に取り込むかなー、と鑑みると日本じゃ正規の値段で売れないB品を市場価格より高い値段で香港で売るという戦略しかフィットしないのかなと思います。

これも6月から実際に香港でやるんでリアルなところを出していきますんでよろしく。