HOME今週のZファーマーアグレッシブなZファーマーたちオフィスワーカーから転身して鵜匠に!

今週のZファーマー

澤木 万理子さん

ファーマーDATA

名前: 澤木 万理子さん 宇治川観光通船(京都府)

鵜匠の文化をひきつぎたい!

(text by 鈴木和歌奈

仕事の仕組み

・6月中旬から9月おわりまでの約三ヵ月半がシーズン
・鵜飼見物の乗船料が利益 乗合船 大人 1,800 円小学生 900 円 貸切船 20人乗 50,000 円
・来場者は年間約6000人だが、増えつつある。海外から来客も
・仕事:鵜飼、鵜の世話、鵜飼の広報
・シーズン中は17時過ぎから鵜飼の仕事がはじまり、21時すぎまで

年間スケジュール

6月中旬から9月下旬まで、鵜飼シーズンでお客さんの前で鵜飼を見せる。
鵜の世話も毎日欠かさない。(開始日や終了日はその年によって異なる。)
9月下旬から6月中旬まではシーズンオフで、鵜の世話や鵜小屋の掃除など、鵜飼と毎日会う生活になる。

初期投資
星2つ
手間
星4つ
ギャンブル度
星2つ
難易度
星4つ

VOL.01 長い歴史を持つ宇治川鵜飼、今は女性2人が表舞台に

2008.08.21 Thu
ph_vol_01_01.jpg鵜匠。舟に乗って縄で鵜を操り、川魚を捕獲する動物を使うハンターである。子供の頃に、マタギ、鷹使いなどにあこがれた方も多いはず!

鵜飼といえば、長良川鵜飼(岐阜県)が有名。そこは宮内庁直属の一子相伝。そんなわけで鵜匠になれるのは、先祖代々一家の男性だけかと思いきや、京都府の 宇治川ではなんとオフィスワーカーやフォトグラファーアシスタントから転身した若い女性鵜匠が活躍しているらしい。

歴史上、女性鵜匠が登場したのはごく最近という、どんな人がやっているのか?

鷹狩と並んで一度は見てみたい鵜飼が今回のテーマ。なにはともあれ、鵜飼の様子を見せてもらった。

夕暮れ時に屋形舟に乗り込み待っていると鵜匠の衣装を身につけた澤木万理子さんが、たいまつのついた舟に乗って鵜と共に現れた。かがり火が闇の水面を照ら し、鵜を手縄でさばき操る鵜匠の姿が浮かび上がる。「ホーホウホウホウ」という鵜匠のかけ声と頬をなでる夜風が心地いい。ぼーっと眺めているとだんだん日 が暮れて、これは平安時代か?と思われる幽玄な世界が現れる。「グァグァグァ」という鳴き声とともに「パタパタ、バシャッバシャー」と鵜が水面を動きまわ る。それを操る鵜匠。かっこよすぎる。見ている自分も鵜匠になりたい衝動にかられる。

古典漁法である鵜飼の歴史は古い。中国、ヨーロッパ、南米でも古くに行われていたらしい。人間どこでも考えることは同じなのだろうか、いずれにしても最初に鵜をつかって魚を取ろうとひらめいて、実現した人はすごい。

日本でも漁法として始まり、平安時代の「蜻蛉日記」中にはすでに鵜飼が登場する。貴族たちがかがり火をたいて数多くの鵜船を楽しんだようで、この頃から鵜飼見物は風情を楽しむ大人の夏の過ごし方だったというわけだ。

そういえば、なぜ釣道具があるのにわざわざ鵜をつかって魚を取るのだろう?

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当たり前だが通常の釣りは釣り針がのどに刺さって魚が苦しむ。ところが、おどろくなかれ。鵜は飲み込んだ瞬間に魚を気絶させることができる。たいへんエレ ガントな漁なのだ。魚が苦しまないから脂肪が抜けず美味しい。とくに冷蔵庫のない桃山時代以降、鵜飼で取れた魚は献上品として珍重された。鵜飼と漁場が自 国にあるかないかは大名の面子にかかわる一大事で、殿様たちはこぞって鵜飼を振興したという。長良川の例では、織田信長から徳川家康、そして江戸幕府にい たるまで、特別な名を与えられたり石高や給与を支給されていたらしい。浮世絵にも鵜飼の様子が書かれている

貴族、大名たちの栄枯衰退とともにだんだん鵜飼も失われていったが、大正時代末期にこの伝統を復活させたものが今につながっているという。

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この長い文化の歴史を引き継いで現在、鵜匠を務めるのは、事務員などを経て27歳の時にこの世界に飛び込んだ澤木万理子さん(34歳)と、カメラマンアシ スタントから転身し去年デビューを果たした江崎洋子さん(30歳)。宇治ではこれまで活躍していたベテラン鵜匠が若手に舞台を譲り、今は船頭として若い2 人を支えている。

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鵜飼はまず、鵜匠が船を「ゴンゴン」とたたく音で魚を脅かし、かがり火の光に引き寄せ、そこに鵜がアタックして魚を飲み込む、という人間と鵜とのコンビネーション漁法。鵜は、大きな魚を飲み込めない程度に首をしめてあり、鵜匠が鵜を船の上に引き上げて魚を吐かせる。

一度に数匹の鵜を操り手縄が絡まないように注意しながら、魚をとらえた鵜を見極めて吐かせる。その手さばきが鵜匠の腕の見せ所。


「鵜匠やってみよかな」と思い立って飛び込んだ世界

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Q「そもそも、なぜ鵜飼になろうと思ったんですか?」

「単純ですが、短大生の時、京都の嵐山で鵜飼いを見たとき、鵜を見事に操る鵜匠の姿がかっこええな、と。自分もやってみたいなと思うて。それから、鳥が好 きで鳥が使える仕事をしてみたいと思ったんです。鵜飼いを見てすぐ鵜匠というわけではありませんでした。短大卒業後は、事務員として働いたり派遣社員をし てました。仕事が変わる節目節目で『本当は何をしたいんやろう』と悩んでいるときに、前に見た鵜飼を思い出して私もやってみよかな、と思い立って、とりあ えず滋賀県の自宅から通える宇治に電話をかけてみたんです」

鵜匠というとそのハードな仕事ぶりからマッチョな男勝りタイプでは、と思いきや、澤木さんはそのイメージを裏切るかのように色白でほっそりとしたべっぴん さんである。何かになりたいと思い立つまでは、誰でも妄想するものだけど、じっさいに電話をかけて行動してしまうとは!

鵜を捕まえることがオーディション?!

Q「電話かけてみたといっても、その後はどうなったのですか?」

「『鵜飼をやってみたいんですが』と言うと鵜飼事業を担っている宇治川観光通船の社長さんが『そしたら、一度宇治に来て』とすんなり言わはったんです。 行ったら『ホンマにやるの?』って言われて。社長も本気やとは思ってなかったんかもしれません。『そしたら、鵜を捕まえてみて。こうやってやるんや』と言 われて、見本を見せられました」

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鵜...、よほどの人でない限り触れる経験はない。体長が80センチほどあり、鳥と言っても猫よりもでかい。そして、クチバシは鋭利。油断するとくちばしで目をつつくこともある。

そんな鵜を、初めて来た人に「ちょっと捕まえてみて」とは、社長さんも大胆だ。かなりのハードルだと思うが...澤木さんは一発で捕獲に成功!

なんだか、マンガみたいな話だ...。こちらが驚いていると

澤木さんは「そこで捕まえへんかったら何も進みませんし」

と笑顔でさらりというだけだった。


「鵜飼捕まえる一発試験」の夏から修行が始まり、ベテラン鵜匠の横で鵜を操ることを学んだ。「知識より技術は体で覚えることが多く、1、2年目は鵜が手に負えずボロボロでした」

それでも、日々の積み重ねで鵜との信頼関係を築き、7年目の今では表舞台に立って後輩の江崎さんと一緒に宇治の夏を華やかに盛り上げている。

かっこいい。

次は、鵜匠の一日を追います!

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今週のZファーマー

Zファーマーとは、自分で考え、工夫や発明を重ねて、クリエイティブな農業を営む農家のことです。

川部正巳さん

A.がっぽり型

川部正巳さん

滋賀県米原市

占いの人に聞いたら、土か火に関係する仕事が向いてるよって言われたんです。火といえば、消防士でしょ。でも、応募年齢過ぎててあかんかった(笑)。陶芸家、花火師、造園業とかいろいろ考えて、美味しいもの食べるの好きやし、農業がいいかなって思ったんですよね。

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