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今週のZファーマー

松本茂夫さんと清水陽介さん、どっぽ村発起人+どっぽ村に関わる若者たちさん

ファーマーDATA

名前: 松本茂夫さんと清水陽介さん、どっぽ村発起人+どっぽ村に関わる若者たちさん 滋賀県

買うのをやめて、なんでも自分で作れるようになろう。まず生きる基本、家を建てることと食べ物を作ることを身につけるのがどっぽ村や。

(text by 鈴木和歌奈

仕事の仕組み

松本さんの農業と清水さんの大工仕事を手伝いながら技術を習得する。農業では、米、そば、麦、菜種などの種まきや収穫、草刈りなどを行う。大工仕事では、清水さんが請け負った住宅の増改築を手伝う。実際、どっぽ村でゲストハウスなどの建物を建てたりすることも。

年間スケジュール

春から秋にかけて農業。自然のサイクルに任せて春は田植え、夏は草刈り、秋は稲刈りを行う。冬の間や雨の日は大工仕事をする。そば打ちなども体験できる。

初期投資
星1つ
手間
星3つ
ギャンブル度
星2つ
難易度
星3つ

Vol.4どっぽ生は勤務日数が毎年減っていく!

2009.02.26 Thu
安田さん。耳に挟んだ鉛筆と首のタオルがすでに大工さんぽい 大工と農業を学ぶどっぽ村。裏山からイノシシ、サル、クマ、シカなど野生動物が出没する自然豊かな環境だ。そこに集まったどっぽ生たちは、いったいどんな生活を送り、何を学んでいるだろう?一番手は0期生で四月から学んでいる安田達成さん(31歳)。夏は農業を学び、いまは大工仕事を学んでいる。

安田さんの実家は、同じ滋賀県内。夏まで車で1時間かけて通っていたが、9月から新たに入塾した2人のどっぽ生と「拠点施設」で共同生活を送っている。

「蚊が、多くて多くて・・・たいへんすね。一時、6畳の蚊帳にどっぽ生の男3人で寝ていました。サンマを薪ストーブで焼いて、部屋の中がえらいことになりましたわ」。

蚊ごときではあるが、自然との共生は一筋縄ではいかない。

外から見た大工小屋、資材や機械が揃っている ここへ来る前は、宅急便のセールスドライバーとして働いていたという。

「時間指定とか配達ノルマもあるでしょ、ストレスもすごかったし、体力的にもきつかったですね。数ヶ月でどんどん人が辞めていく職場だったんで。たまたま次の仕事を探しているときにどっぽ村と出会ったんです」。

ここでの仕事もハードだがストレスは少ないという。

「夏は農業でひたすら草刈り。田んぼだけで1.5ヘクタールもあるんですよ。順々に刈っていてもどんどん生えて来て5サイクルくらいしましたかね。めちゃめちゃ暑いですし、段になっている田んぼだから斜め向いて刈るんですけど、いやぁ腰にきました」。

日に焼けた顔とがっしりした手が夏の労働を感じさせる。やっぱりきついのではないだろうか?

「それでも、配達より草刈りの方がええですね。木が好きだから山にいるのが気持ちいいし、木の温もりていうんですか。言うたら癒されますね」。

「この木のかんじが好きですね」「将来ですか?いずれ林業に関わる仕事がしたいすね。でも林業自体減っているし、木は売れない時代だし、ぼく山もってないんで。まあ、どこでやるってのはまだなんですけど、ここには林業に興味ある子や実際仕事してる子も集まるから、そこで情報交換できるし励みになりますわ」。

清水さんから薫陶を受けるところで、清水さんと松本さんの指導は厳しいのだろうか?
昭和人間からすると、やっぱり、大工修行というと「テメー何やってだ!コノヤロー」と鉄拳が飛ぶイメージが染み付いている。非常に気になる。

「どうなんでしょう・・・」と小声で尋ねると「毎日怒られてます」と安田さん。それを聞いていた清水さんは笑って
「きつめのアドバイス的なことは言うけど、怒ったりはせえへん。自分も怒るんが嫌いやしな」と言っていた、なんともまっとうな師匠ではないですか。

「米も作れる大工」になりつつある 「仕事のやり方はきちっと教える。でも、その先は自分の人生やからな。やりたいことが見つかったらいつでも辞めていいんや。自分の人生を考える場にしてくれればそれでよし。どっぽ村に残る必要もない。都会と田舎のパイプ役になってくれてもいいし、他の田舎に住んでもいい」。

なるほどー、どっぽ村に残る必要もない!とはまた懐の深い。Iターン支援っていろいろあっても地元に定住することが厳しい条件だったりするのに、この「囲い込まなさ」はすがすがしい。

手取り足取り教えもしないし、朝にならないとやることが決まらない。給料も出るけどいちおうクビもある。しかも、給料は変わらないが時間が増えるのがどっぽ村の面白いところ。

働く日数はこんなかんじ。

1年目:25日/月
2年目:20日/月
3年目:15日/月


と一ヶ月の労働時間が減っていくのだ。自由時間でお金が欲しかったら外で稼いでもいいし好きなことをすればいい。そのかわりどっぽ村の手当ては変わらず月10万円程度。企業とかだと仕事ができるようになればなるほど、ちょっぴり給料が増えてうんと多くの仕事を突っ込まれる。それとは逆の発想だ。

実際に、安田さんはどっぽ村の外で仲間と自然米の栽培に取り組んでいるという。

大好きな木に囲まれ仕事をする「自分がここへ来て何かできるようになったとか、農業や建築が自分に向いているとかはまだわかりませんねえ。ここに来て変わったことですか?なんでしょうね、ここは星がえらいきれいなんです。よくボーッとしてますわ」。

時間に追われ、息をつく間もないセールスドライバー時代から、たまには星を見る余裕ができた。喧騒も街灯も信号機もないが、星と狸がいる。

いきなり現れた我々に、かしこまりもせず落ち着いた口調で話してくれた安田さん。こんなしっかりした同世代に久しぶりにあった気がする。

最後に宅急便について

「時間帯指定ってたいへんなんですよ。するならするで、家におってくれると配達するほうとしてはほんまにありがたいんですわ、指定時間帯に行っておらんとけっこうがっくりします」とのこと。

そういえば時間帯指定したくせにすっぽかしたことがある・・・宅急便の時間指定は守ろうと思いました。

最後に気になることを安田さんは言い残した。

「どっぽ生の話聞くんすか?いやー、ヤバイやつがいるんすよ。いま、畑にいるから聞いてみたらいいですよ」

ヤバイやつ・・・猛獣みたいな人だろうか?

(つづく)
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今週のZファーマー

Zファーマーとは、自分で考え、工夫や発明を重ねて、クリエイティブな農業を営む農家のことです。

川部正巳さん

A.がっぽり型

川部正巳さん

滋賀県米原市

占いの人に聞いたら、土か火に関係する仕事が向いてるよって言われたんです。火といえば、消防士でしょ。でも、応募年齢過ぎててあかんかった(笑)。陶芸家、花火師、造園業とかいろいろ考えて、美味しいもの食べるの好きやし、農業がいいかなって思ったんですよね。

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