HOME今週のZファーマーアグレッシブなZファーマーたち田んぼに鉄道をつくった男!

今週のZファーマー

 くまかん(熊野簡易鉄道)さん

ファーマーDATA

名前: くまかん(熊野簡易鉄道)さん 三重県熊野市

一番始めに畑を貸してくれたオジさんが『あそこまで開墾してくれたら嬉しいな』って何気なく言ってて、その人が生きているうちに開墾したら恩返しになるかな。まあ、オジさんは忘れているかもしれないけど、自分の中では、やり遂げたいなって。

(text by 鈴木和歌奈

仕事の仕組み

畑を借りて、米、蕎麦、菜種、ミカン、梅などを栽培。ミカンはミカンジュースに、蕎麦とうどんは打って販売。ときどき、近所の人に頼まれて草刈りや墓の掃除などを行い、冬は出稼ぎにも行く。鉄道は、農作業の合間にコツコツ作る。

年間スケジュール

冬:ミカンの収穫の出稼ぎ、開墾や鉄道作り
春:田植えとその準備、梅、菜種、小麦の収穫
夏:近所の家の草刈りや蕎麦の種まき、夏休み
秋:稲刈り、蕎麦の収穫

初期投資
星3つ
手間
星5つ
ギャンブル度
星3つ
難易度
星5つ

VOL.9 鉄道完成祝いの紅白餅!

2010.01.04 Mon
レアな穀物に挑戦中

いよいよ最終回。今回はくまかんさんが育てている面白い農作物を紹介します。

これがささびもちの田んぼ くまかんさんは、同じ餅米でも様々な品種を育てている。その一つが「ささびもち」というレアな品種だ。日本で3軒しか栽培していないらしい。病気などに弱いので失敗が多いけれど、くまかんさんの田んぼで復活したのだとか。

ささびもちはこんな感じです 他には、白餅と赤餅を作っているという。紅白餅を鉄道のためにつくったと言う。

「今は110mだけど、あと30m伸ばして鉄橋とトンネルを作って、終着駅まで開通させたいんだよね。それがうまくいったら紅白餅を振る舞いたいんだ。そのために白と赤を作ってるんだよ。ふふふっ」

赤餅は、すでに実が赤い なんと!こんなところで鉄道と農業がつながっているんだ。農作業のために鉄道を引き、鉄道のために農作物を作る。

くまかんさん、語る 鉄道は実用性があれば長くつづく!?

「鉄道が欲しいから田舎に住むと決めて、じゃあ、田舎に住んで何しようと考えたときに、農業関係の仕事が一番いいと思ったんだよね。そうすれば、農業用の線路も作れる。鉄道っていうのは、実用性がないと存在価値がないって思ってる。もし、だれかに引き継がないといけなくなったとき、存在価値があればそんなに簡単には壊されないでしょ?」

たしかに、たしかに。個人の趣味で終わったら残念ですもんね。

鉄道は人好物なのに自然になじむ

「それに、鉄道は、使っているのは木と鉄でどちらも自然になじむんだよ。コンクリートの道路より風景を壊さないし枕木以外のところは草が生えてくるわけだから。レールがあるところしか、走れないわけだけど、少ないエネルギーで走れるわけだから、車よりエコだしね。」

今まで、交通手段といえば効率性してしか考えてなかったけど、確かに自然になじむという視点は新鮮だ。

「この辺りは、斜面で道が狭くて、肥料や作業具を運ぶのも大変だから、役場の人が『農道を作りましょうか?』って言ってくれてるのよ。でも、僕としては、鉄道作りたいんだよね。ここにも鉄道作っちゃおうかな!はははっ」

帰り際、道にくまかんさん手作り看板があるのを発見。千枚田ならぬ十枚田。 鉄道も農業もゼロから始める創意にあふれた仕事!

取材前、農業と鉄道と聞いて、全く接点が浮かばなかったけれど、くまかんさんはうまく組み合わせて、2つのいい所をどんどん引き出している。欲張らず、得意な農作物を作って伸び伸びと鉄道作りに励んでいるところもコツなのかもしれない。

しかも、開墾から始める農業も、レールを曲げるところから始める鉄道も、マニュアルのない大変な仕事である。両方とも、まさに試行錯誤の積み重ねでクリエイティブな仕事だ。くまかんさんには、鉄道にしろ、農業にしろ、線路をここまで伸ばすとか、ここまで開墾するぞ、とか目標がしっかりあるので、それも頑張れる秘訣なんだろう。

くまかんさんは、ブログに日々の活動を綴っている。鉄道のことや農業のこと、近所の犬猫のことまで。取材から1ヶ月、私がのんびりと原稿を書いている間に、くまかんさんは鉄橋を作る予定の所にレンガを積み上げていた。鉄道を作るなんて、たくさん大型機械が必要で何人も人手がいるもんだと思っていたけど、1人で東京から熊野へ住み、少しずつ土地を手に入れて鉄道をひいたくまかんさんを見ていると、人間て、志を持ってコツコツ続ければかなうものなんだなあと実感する。

ときどきブログを見ながらくまかんさんを応援し、完成したときにはぜひ紅白餅を食べに、再び熊野へ行きたいものです。

ありがとう、くまかんさん!

くまかんさんのブログはこちら→ http://kumakankidou.blog5.fc2.com/

中学生から「自分の鉄道を持ちたい」と思い続け、20代で何度か挫折しかけたものの、39歳で夢の達成目前のくまかんさん。取材前、安易な私は、「自分で鉄道を所有するには、稼ぎのいい仕事でバリバリ働いて沢山お金を貯めるしかないのでは」と思っていたけれど、くまかんさんの発想は真逆で、鉄道に農業を結びつけて、楽しみながら自分で作っていました。完成した鉄道と紅白餅が楽しみです!

鈴木和歌奈さん

取材したライター:

鈴木和歌奈

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ザックザック企画

今週のZファーマー

Zファーマーとは、自分で考え、工夫や発明を重ねて、クリエイティブな農業を営む農家のことです。

川部正巳さん

A.がっぽり型

川部正巳さん

滋賀県米原市

占いの人に聞いたら、土か火に関係する仕事が向いてるよって言われたんです。火といえば、消防士でしょ。でも、応募年齢過ぎててあかんかった(笑)。陶芸家、花火師、造園業とかいろいろ考えて、美味しいもの食べるの好きやし、農業がいいかなって思ったんですよね。

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